
5分でわかるビットコインと金利
結論
ビットコインと金利には一定の関係がありますが、金利だけでビットコイン価格の方向が決まるわけではありません。金利が動くと世の中の資金の置き場所が変わり、ビットコインはその行き先の一つとして語られます。実際、2022年は金利と逆方向に、2023年は同じ方向に動いています。
3行でいうと
金利とは、お金を借りる費用であり、預けたときの見返りでもあります
金利が動くと資金の行き先が変わり、その一つとしてビットコインが語られます
ただし、両者が常に同じ関係で結びついてきたわけではありません
「FRBが利下げへ」という見出しの下に、ビットコインの値動きの話が並ぶ。よく見る組み合わせですが、なぜ隣り合うのかは説明されないことが多いところです。
中央銀行が決めているのは、銀行どうしがお金を貸し借りする金利です。それでも金融政策のニュースが相場の話題になるのは、金利がお金の流れる先を変えるためです。
整理してみましょう。
金利とビットコインの関係とは何か
むずかしく言えば、資金調達コストと安全資産の利回り(お金を預けて受け取れる収益の割合)の変化が、投資家の資産配分に影響する経路のことです。かんたんに言えば、「お金の値段が変わると、お金の置き場所も変わる」という話です。
値段が上がれば借りにくくなり、下がれば借りやすくなります。
なぜ金利で語られるようになったのか
2020年3月、新型コロナウイルスの流行を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利をほぼゼロまで引き下げ、大規模な資金供給も行いました。この時期を境に、値動きの大きい資産へ資金が向かう流れが報じられ、ビットコインも金融政策の話題に入りました。
物価の上昇との関係は「5分でわかるインフレとビットコイン」で扱っています。本記事はお金の値段が動く側です。
仕組み・お金の流れがどう変わるか
資金の流れが変わる理由は、主に三つの経路で説明されます。
一つ目は借入のコストです。金利が上がると、借りて投資に回す動きは鈍くなります。二つ目は預金や債券の利回りです。安全に置いておくだけで収益が見込める状態になると、値動きの大きい資産をあえて持つ理由は薄れます。三つ目は将来の収益の見積もりです。金利が高いほど、将来受け取るお金を今の価値に置き換えた金額は小さくなります。
ビットコインは利息や配当を生みません。三つ目の影響を受けやすい資産とされることがあります。
チャートの読み方
政策金利とビットコイン価格を重ねたチャートには、方向が一致した時期と、そうでない時期の両方が含まれます。
読み取れるのは「金利は市場環境の一部である」という程度だと言われています。
過去どう機能したか
2022年、FRBは物価の上昇を抑えるため急速な利上げに踏み切り、政策金利はゼロ近辺から4%台へ引き上げられました。ビットコインは2021年11月に記録した6万9千ドル台の高値から、2022年11月には1万5千ドル台まで下落しています。
一方、2023年は利上げが続き政策金利は5%台に達しましたが、ビットコインは1万6千ドル台から4万ドル台へ上昇しました。前年の下落からの反動や、現物ETFの承認をめぐる思惑が材料として挙げられています。
使う際の注意点・限界
最初につまずきやすいのは「発表された瞬間に動く」という見方です。市場は事前に予想を織り込みます。反応が大きくなるのは決定そのものより、予想との差が出たときです。
物価との関係も見落とされがちです。表面上の金利から物価の上昇率を差し引いた実質金利(物価の上がり分を除いた金利)で見ると、印象が変わることがあります。
関係の安定性にも疑問が示されています。金融政策に反応する資産だという見方がある一方、価格を動かす要因は需給・規制・事業者の破綻など多岐にわたり、金利はその一つという指摘もあります。値動きの幅そのものは「5分でわかるビットコインのボラティリティ」で整理しています。
今なぜ注目されているのか
日本と米国で金利の向きが分かれています。米国は2025年に9月・10月・12月と3回の利下げを行い、2026年7月のFOMCではFF金利(銀行どうしが翌日返す約束で貸し借りする金利)の誘導目標を3.50〜3.75%に据え置きました。委員の間でも判断は分かれています。日本では2026年6月に0.25%の利上げが行われ、7月末の会合では1.0%で据え置かれています。
前回扱った規制が「制度の土台」の話だとすれば、金利は「資金の温度」にあたります。実際の資金の出入りは「5分でわかるETFフロー」で追えます。価格チャートに金融政策の節目を重ねると、市場環境の変化を追いやすくなります。
まとめ
金利はお金の値段であり、動くとお金の置き場所が変わります
経路は借入コスト・安全資産の利回り・将来収益の見積もりの三つです
2022年は逆方向、2023年は同じ方向に動くなど、関係は一定していません
反応が大きくなるのは決定そのものより、事前の予想との差が出たときです
米国は据え置き、日本は利上げ後の据え置きという状態にあります
金利との関係を理解すると、金融政策のニュースで何が変わって何が変わらないのかを切り分けられます。
次回の記事:円建て価格に為替がどう影響するのかを見ていきます。
よくある質問
Q. 政策金利は、どこで確認できますか?
A. 米国はFRB、日本は日本銀行が会合ごとに公表しています。開催日程は事前に公開されており、FOMCも日銀の金融政策決定会合も、年8回開かれています。
Q. 米国と日本、どちらの金利を見ればよいですか?
A. ビットコインは主に米ドル建てで取引されるため、報道で取り上げられるのは米国の政策金利が中心です。日本の金利は、円建て価格に関わる為替の動きを通じて関係します。
Q. 金融政策の影響は、いつ価格に表れますか?
A. 一定の期間で表れると言い切れる関係ではありません。決定が事前に予想されていれば発表前に織り込まれる場面もあり、資金配分が入れ替わる形で数か月かけて表れると説明される場面もあります。
関連データ・チャート
[Bitcoin.jp Data:ビットコイン価格チャート | ETFフロー]
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5分でわかるビットコインのボラティリティ:値動きの幅が大きい理由
5分でわかるETFフロー:資金の出入りを数字で追う
前回:5分でわかるビットコイン規制
次回:5分でわかるビットコインと円安・為替
本記事はビットコインに関する教育・情報提供を目的としており、投資の助言・勧誘を意図するものではありません。



