
BTCイールドって何?1株当たりのBTC保有量が増えるという考え方をやさしく解説!
こんにちは、Hiyoko ₿です。いつも Bitcoin.jp をご覧いただき、ありがとうございます。
前回は、
「ビットコイン投資について学んでみよう! 現物ビットコインとメタプラネットの違いをやさしく解説」
という内容でBitcoin.jpとのコラボ記事をお届けいたしました。
その中で、現物のビットコイン以外にもビットコイン・トレジャリー企業という新しい投資の選択肢があることに、少し触れました。
また記事内では、「BTC Yield(ビットコイン・イールド)」という、世間一般ではまだ聞きなれない言葉も登場したかと思います。
「Yield(イールド)」とは一般的に「利回り」を意味しますが、言葉だけを見ると少し難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、ビットコイン・トレジャリー企業を理解するうえで重要なテーマとして、
「BTCイールドって何?
1株当たりのBTC保有量が増えるという考え方をやさしく解説!」
というテーマで記事をお届けします。

まずは、ビットコイン・トレジャリー企業の「1株当たりBTC保有量」の話に進む前に、現物ビットコインの基本のイメージを、いっしょにゆっくり整理してみましょう。
👛 まずは基本を整理!:現物ビットコインのイメージ
最初に、現物のビットコインを買う場面を想像してみてください。
たとえば 1BTC を買って、自分のウォレット(デジタル上のお財布)に入れて大切に保管したとします。
そこから1年が経ちました。
では、そのときウォレットの中身はどうなっているでしょう?
答えは、 1BTC のままです。
(※自分で買い足さない限り、枚数が自然に増えることは基本的には起きません)
これは、1万円札をお財布に入れて1年経っても、
途中で追加しなければ「1万円札が1枚」のままであるのと同じです。
もちろん、その間にインフレなどで「1万円の価値」自体は変わるかもしれませんが、お札が勝手に2枚に増えることはありませんよね。
現物ビットコインでも、この基本は同じになります。
1年間のあいだにビットコインの価格(円やドル) は上がったり下がったりするかもしれませんが、ビットコインの枚数(数量) は、何もしなければ自然に増えることはありません。
これが、現物ビットコインの基本的なイメージとなります。

🟧 ビットコイン・トレジャリー企業が目指す「BTCイールド」の世界
では、ビットコイン・トレジャリー企業の場合はどうでしょう。
ここからは、1株当たりBTC保有量の考え方について、いっしょに見ていきましょう。
現在、米国ではストラテジー(旧マイクロストラテジー)、日本ではその代表格としてメタプラネットの名が広く知られるようになってきました。
こうしたビットコイン・トレジャリー企業の株式を持つという選択肢は、現物ビットコインとはまた少し違った景色を見せてくれます。
これらの企業(たとえば日本のメタプラネットなど)は、ビットコインを財務準備資産の中心に据え、革新的な財務戦略(資金調達や資本政策)を駆使して、会社として保有するビットコインの積み増しを目指しています。
ここで重要なのは、「会社のビットコインが増加する」という言葉の意味合いです。 これは単に「会社の金庫(ウォレット)にあるビットコインの総量が増えていく」ことだけを指すのではありません。
ポイントは、「発行している株式1株当たりに対応するBTC(=1株当たりBTC保有量)」 という視点でも捉え、その増加を目指しているということです。
言い換えると、会社は財務戦略を通じてBTCを取得していくと同時に、発行済株式数(将来的に増える可能性も含む)も踏まえたうえで、会社全体の価値(企業価値)だけでなく、「1株当たり」で見た価値も高まっているかを重視しているといえます。
💡 ちょっと難しい言葉の解説:「完全希薄化後発行済株式数」とは
ここで、少しだけ専門的な話をしますね。
ちなみに、この「将来的に増える可能性のある株式」も含めて
計算する場合の発行済株式数のことを、
専門用語で
「完全希薄化後発行済株式数(かんぜんきはくかご・はっこうずみかぶしきすう)」と呼びます。
(漢字ばかりで、見るだけでお腹いっぱいになりそうですね。)
これは、現時点で既に発行されている株式数に加えて、新株予約権や転換社債など「将来、株に変わるかもしれない権利」がすべて行使されたと仮定した場合の最大数を反映した値となります。
あえて、この考えうる「最も多い株式数」を用いて計算するのは、1株当たりの価値を実態以上に高く見せない、保守的で誠実な基準を大切にしているからなのです。

BTCイールドとは?具体例で計算してみよう
ここで、「BTCイールド(BTC Yield)」という言葉がついに登場します。
この言葉は、ある一定期間における「1株当たりBTC保有量」の増加率を表す指標として使われます。
図で比較すると、次のようなイメージになります。
🟦 現物ビットコイン
いつでも 1BTC は 1BTC のまま
枚数は増えない(価格変動のみの影響を受ける)
🟧 メタプラネット(上場株式)
1株当たりのBTC が増えていく状態を目指す
BTC価格の変動に加えて、「1株当たりBTC保有量の増加(=BTCイールド)」という要素も加わる

ここで、すごくシンプルな計算例も見てみましょう。
【スタート時点】
会社が 100 BTC を保有している
(完全希薄化後の)発行済株式数が 100株である
このとき、
1株当たりBTC = 100BTC ÷ 100株 = 1BTC です。
【その後(企業の努力後)】
会社の保有BTCが 120 BTC に増えた
(完全希薄化後の)発行済株式数が 100株 のままだった
このとき、
1株当たりBTC = 120BTC ÷ 100株 = 1.2BTC です。
結果として、 会社の(完全希薄化後の)発行済株式数は変わらないのに、BTC保有量だけ1.2倍に増えました。
そうすると、この期間中のこの会社のBTCイールドは
+20%だったということができますね!

つまり、会社の取り組みによって、保有BTCの増加ペースが株式数の増加ペースを上回る限り、株式を通じた「1株当たりBTC保有量」は増えていく構造が成り立つ、といえます。
これが BTCイールド の考え方です。
参考までに、米国のストラテジーおよび日本のメタプラネットについて、
各社のビットコイン・トレジャリー戦略開始以降の「1000株当たりBTC」の推移を比較したグラフを以下に掲載します。 (※数値の可読性を高めるため、1株ではなく1000株単位で示しています。)


📈 グラフで見る!時間の経過とともに起きるBTC イールドの「積み重ね」
ここまで、BTCイールドという考え方について見てきました。
少しずつ「1株当たりBTC保有量が増加する」という意味合いも、
だいぶ輪郭が掴めてきたのではないでしょうか。
ここで、ふと気になるのは――
この数字を、投資家としてどう捉えればいいのか?
実際に、どんなふうに効いてくるのか?
こうした点かもしれません。
また、「1株当たりBTC保有量が増加する」と聞いても、
「 毎年少しずつ増えるだけなら、そこまで大きな差にならないのでは?」 と感じる方もいるかもしれません。
そのイメージをクリアにしてくれるのが、次の シミュレーション(概念図) です。
この図は、BTCイールドという考え方が 時間の経過とともにどう効いてくるのか を、
直感的に捉えるための例として整理されたものです。
もし「年平均+10%のBTCイールド」が10年続いたら? 一緒に考えてみよう!
(※本図は説明目的の概念図であり、架空のシミュレーションです。実際の数値・結果を示すものではなく、将来の実現を保証または意図するものではありません。)
たとえば、わかりやすく ある一定額 をビットコイン・トレジャリー企業の株式に投資したと仮定してみましょう。
(※ここでは計算を単純にするため、企業の時価総額と保有BTCの価値が「同じ」状態だとします。)
購入時点での 「持ち分(1株当たりBTCの量)」 を、便宜上 「1」 と置いてみます。
その「1」が、時間の経過とともに どう積み上がって見えるか を、(概念図として)シミュレーションしてみましょう。
🟩 現物ビットコインの場合
自分で買い足さない限り、枚数は基本変わりません。
そのため、概念図では、購入時点を基準として 横ばい(=1のまま) として描かれます。
🟨 BTCイールド(概念図の例)
仮に一定のプラスが続くとした場合、最初はゆるやかでも、年を追うごとに 曲線的に積み上がって見える —そんなイメージになります。
この概念図では、「1年間で+10%のBTCイールドが続く」と仮定しているため、
10年後の値は 1.1の10乗 ≒ 約2.59 となります。
(概念上は)「1株当たりBTC(持ち分の尺度)が約2.59 の水準」として表せます。
これは、BTCイールドの考え方が、
毎年増えた分が翌年の増加の土台にもなるという、
いわゆる 複利(ふくり) のイメージを示しているためです。
なので感覚としては、
足し算:10% × 10年 = +100%(水準:2)
ではなく、
掛け算:1.1 × 1.1 × …(10回) ≒ 約+159%(水準:約2.59)
という捉え方になります。
(積み上がり方が変わって見えますよね。)
(※この概念図は、あくまで計算上のシミュレーションとして、そのような結果を示しています。)

「プレミアムが付いている」状態でも、長期ではどうなる?
次は、もう少し発展的な話です。
ビットコイン・トレジャリー企業の株式には、
企業の保有BTCの価値だけでなく、事業・期待・需給なども織り込まれます。
その結果、状況によっては、企業の評価が保有BTC価値を上回る(プレミアムが付く)ことがあります。
なかには、
「プレミアムが付いているときでも、長期で見たらどう捉えればいいのか」
と考える方もいるかもしれません。
ここで概念図が伝えたいポイントは、次のような “見え方” です。
たとえば、企業価値が 保有BTCの価値の2倍 で市場評価されている(=2倍のプレミアムがある)と仮定します。
すると、同じ一定額を投資しても、購入時点の 「持ち分(1株当たりBTCの量)」 は、概念上 0.5(半分)からスタートする ように見えます。 (※同じ金額で買える「1株当たりBTCの尺度」が、出発点では小さく見える、という意味ですね。)
それでも、もし仮に 年平均+10%のBTCイールド が10年間続くとした場合、どうなるでしょう?
時間の経過とともに積み上がっていき、
この概念図では、10年後の到達水準は 0.5×1.1の10乗 ≒ 1.3 となるため、
(概念上は)「1株当たりBTC(持ち分の尺度)が約1.3の水準」として表せます。
要するに、 最初は「持ち分が少なく見える」状態から始まっても、
(仮に)1株当たりBTC保有量が増えるペースが継続するなら、
長期では、概念図の上では、現物ビットコイン(=1のまま)との差が縮まり、上回るように描かれます。
(この概念図は、あくまで計算上のシミュレーションとして、そのような結果を示しています。)

⚠️ ここで、大事な注意点!
BTCイールドは魅力的に聞こえやすい一方で、誤解も生まれやすい言葉でもあります。
良い面だけでなく、次のようなリスクや不確実性があることも、あらかじめ理解しておくことが大切です。
希薄化(きはくか)のリスク:会社のBTC保有量が増えても、それ以上に株式数(潜在株式を含む)が増えてしまえば、「1株当たりBTC保有量」は増えにくくなったり、あるいは減少したりする可能性があります。
事業環境のリスク:資金調達環境・市場環境・コストなどの影響により、会社の戦略が想定通りに進まない場合があります。
株価の変動要因:株価はBTC価格だけで決まるものではなく、事業の状況・市場の期待・需給など、さまざまな要因でも大きく変動します。
そのため、本文中の図やシミュレーションは将来を約束するものではなく、あくまで『1株当たりBTC保有量』という仕組みを理解するための概念図(架空のシミュレーション)」として、冷静に受け取ることが重要です。
✨ まとめ: BTCイールドは「1株当たりBTC保有量(持ち分の尺度)」に注目する考え方
最後に今回のポイントを、ぎゅっとまとめます。
現物ビットコイン :BTC価格は変動しても、買い足さない限り枚数が自然に増えることは基本的にありません。
ビットコイン・トレジャリー企業(上場株式): 企業活動や資本政策の結果として、「1株当たりBTC(=持ち分の尺度)」が増減する場合があります(※概念)。
シミュレーション上の視点 :もしBTCイールドが継続的にプラスで積み上がると仮定した場合、概念図では、時間の経過とともに差が広がるように表現されることがあります(※概念図)。
リスクの理解 :株式には、企業・市場・希薄化などのリスクがあり、結果が保証されるものではありません。投資判断にあたっては、適時開示などの情報を確認することが大切です。
この「動的な視点」は、ビットコイン・トレジャリー企業を理解するうえでの重要なポイントのひとつであり、投資対象として検討する際にも、参考になる見方のひとつかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もまた、一緒にビットコイン投資の新しい世界を学んでいきましょう!
(Hiyoko ₿)


Hiyoko ₿
私はビットコイン、そしてビットコインに関わる企業が大好きで、普段は X(旧Twitter)で、ビットコインの仕組みや関連企業の構造を数学的な観点からわかりやすく発信しています。 また「ビットコインを日常のファッションに」というコンセプトのもと、AIアート作品『ビットコインシスターズ』を通じた表現活動も行っています。
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